求職者支援訓練の実態
HYRSパソコン教室 | 日建学院 |
1.実践コース(デザイン分野)
ホームページデザイン科 訓練番号:4-26-22-02-11-0413
〜ホームページ作成・Androidアプリ作成基礎〜
訓練期間:平成27年6月8日(月)〜平成27年10月7日(水)
訓練場所:HYRSパソコン教室 東小川校
上記訓練は実践コースであり、厚生労働省は「就職希望職種における職務遂行のための実践的な技能等を付与する訓練」と位置付けています。
実践的な技能等を習得し、ホームページデザインに関係する職種に就職することが最終目的です。
そのためには、企業がどのような人材を要求しているのかの実態調査が不可欠であり、このホームページデザイン科が求職支援訓練実践コースとして適合しているのかの判断が必要です。
残念ながら、「厚生労働省」及び「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」は、実態を把握されていないとしか思えません。
何故なら、デザイン分野の企業求人は、デザインに関する大学、短大、専門学校卒あるいは、実務経験が要求されているからです。
これは求人票を確認すればすぐにわかることですが、未経験者を求人する企業は皆無です。
ところが、ホームページデザイン科を受講する訓練生は、大半が未経験者です。
ですから希望職種に就職できる可能性は極めて低いのですが、希望職種以外のどのような職種でも、過去3年間の就職率が35%以上であれば、厚生労働省からの職業訓練の認定を継続できるのです。
貴重な税金を使用しているわけですから、労働市場のニーズを常に把握し、企業からの要求、あるいは将来必要になる職種の訓練に対して税金を投入するべきだと思うのです。
どのように考えてもこのホームページデザイン科が、労働市場のニーズが高い職種とは思えないのです。
未経験者がホームページデザインに関する職種に就職するには、訓練期間中に最新かつ高度なテクニックを習得し、経験者に見劣りしないポートフォリオ(作品集)を制作できるようになるしかありません。
このことは、長年求職者支援訓練を実施してきた、最前線の訓練校(HYRSパソコン教室)は承知しているはずです。
しかしながら、以下のようなコンプライアンス違反の訓練を実施していました。
このことは、「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」の訓練校に対するチェック体制がマンネリ化し、常に最新の労働市場のニーズを把握していないことも要因の一つと考えられます。
コンプライアンス違反(平成27年9月14日時点)
(1)訓練カリキュラムと異なる訓練の実施
JavaScript/JQueryの記述方法や基本文法の講義がありません。
実態は、講師が用意したプログラムを、講師の説明する通りにコピーしてファイルへ貼り付けるだけでした。
(JavaScript/JQuery基礎実習が、カリキュラムの24時間も行われていません。)
単にコピーしてファイルへ貼り付けているだけなので、プログラムの意味が、詳細ではなく概略も理解できません。
そのため独自の応用ができないので、技能の習得にはつながらないと思います。
・アニメーション制作は行っていません。
・Android基礎の12時間、Android基礎実習の30時間は行われていません。
(8月31日〜9月3日までプロジェクターが故障中のため、講義が中止になりました。)
・職業人講話は12時間も行われていません。
9月14日に問題点を公益通報後、是正措置を急遽取り始めたため、それ以降詰め込み講義となりました。
(2)訓練日誌に虚偽の記載を強要
講師からカリキュラム通りに訓練したように、日誌に嘘の訓練内容とその感想を書くように指導を受けていました。
9月14日に問題点を公益通報後、訓練校の塾長から9月24日の朝に日誌の書き直しを依頼され、6月以降の日誌を実際に行った訓練どおりに書き直しました。
(3)職業人講話の目的が不明
職業人講話のイメージは、実際にWebデザインなどの会社に勤務されている方が、その業界の就職状況や実態などを講義していただけるものと思っていました。
しかし実際は、フリーランスのデザイナーの方が、PhotoShopの自作品とその技術テクニックの紹介でした。
あとは課題(仮のホテル広告)を出され、次回の職業人講話の時間に「各自から発表をしていただき、私から講評をします。」との話でした。
これでは職業人講話ではなくPhotoShopの実技であるため、目的から外れています。
9月14日に問題点を公益通報しましたが、是正措置はとられず有益な情報を伺うことはできませんでした。
(4)訓練におけるホームページ作成言語が最新ではなく、しかも講義レベルが初級クラス
一世代前の言語HTML4.01とCSS2.1の初級までの講義のため、Webデザイン未経験者はとても不利です。
最新のHTML5とCSS3の知識が無くては、並みいる経験者を押しのけて希望職種に就職することが叶いません。
Webデザイン経験者は、訓練校の講師の技能レベルを凌駕していたため、単に復習をしているにすぎず、当該支援訓練を受講しなくても就職することが可能と思われました。
訓練の必要性が薄い、Webデザイン経験者を当該訓練に入校させるのは、就職率を向上させ求職支援訓練の成績を上げるためであると考えます。
9月14日に問題点を公益通報後、最終日の10月7日に2時間だけHTML5の説明がありました。
平成27年当時、左のように同じWEBサイト制作の就職支援訓練で、HTML5 CSS3を使用した訓練がありました。
このことは、就職者支援訓練校に認定された「HYRSパソコン教室」だけではなく、「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 静岡支部」や「静岡労働局」の現状認識が劣っていることを表しています。
2.シニアワークプログラム地域事業(フォークリフト)
厚生労働省静岡労働局委託事業
日建学院(株式会社建築資料研究社)浜松校 主催 フォークリフト運転技能講習
講習期間:平成29年2月20日(月)〜平成29年2月24日(金)
講習会場:マジオワークライセンススクール浜松校
就職するために行っている運転技能講習ですが、10名の定員で行っているため、1名あたりの実技時間が短いのが難点です。
フォークリフトが1台しかありませんから、単純計算では、1時間当たり6分/名しか割り当てられません。
他の人の実技を見て学ぶことも重要ですが、あまりにも見ている時間が長いのです。
フォークリフト運転技能講習規程により、講習科目の範囲及び時間は以下のように定められています。
1.学科
(1)走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識(4時間)⇒普通免許所有者のため今回免除
(2)荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識(4時間)
(3)運転に必要な力学に関する知識(2時間)
(4)関係法令(1時間)
2.実技
(1)走行の操作(20時間)
(2)荷役の操作(4時間)
※学科・実技とも、修了試験が課される。
学科講習は、おおむね100人以内の受講者を、実技講習は、10人以内の受講者を、それぞれ1単位として行うものとする。
講習会場上のコースが短くて、方向指示器の操作は行いませんでした。また、視覚で直接パレットを確認することが困難な、フォークリフトの最大高さ3mでの荷役操作は行っていません。
なにせ55歳以上のシニアなのですから、もっと実技操作時間を充実しないと、実際の職場で、20代〜40代の労働者と同等の速度で仕事をこなすのは困難です。
定員を5名にするか、フォークリフトの台数を2台にして1名当たりの実技時間を確保していただきたいものです。
税金を投入して委託しているのですから、すぐに就職できる資格、あるいは、今人材が足りなくて、早急に必要とされる職種への就職支援が必要なのではないでしょうか?